フレンキーの市場価値がリーガNo.1とか。。。 なんでも1億ユーロ弱らしい。あれ?これって売却も視野に入れるべき案件では??
冷静にフレンキーってどうなの?
フレンキーデヨングは、アヤックスでの活躍を経て、19/20シーズンにバルセロナに移籍しました。 彼には多くの期待が寄せられましたが、期待値ほどではなかったのというのが1年目を終えての正直な感想で、フレンキーやオランダ界隈からも消化不良臭がプンプンしてました。
2年目の20/21シーズンには新たにクーマン監督が就任しました。 これにより、彼の最適な役割、ポジションで起用されアヤックスをCLペスト4に導いた実力を発揮してくれるんじゃないかと期待が高まりました。
実際にボックストゥボックスの役割を果たし、チームにダイナミズムを与える一方で、リベロやセンターバック、ピポーテ(守備的MF)としてもプレーし、 チームに貢献しました。 彼はメッシやブスケツと並んで、チームにとって不可欠な存在としての地位を確立したというのが世間的な評価でしょう。 その証拠に、メディアやファンからは彼に関する批判や移籍の噂がほとんど聞こえてきません。
しかし!この世間的な評価に待ったをかけたいというのが僕の気持ち。
理由はある程度本領を発揮したからこそバルサとは違う方向性の選手だと感じたからです。 このままバルサでプレーし続けてもマクロに見ると不可欠だけどミクロに見たらベターな存在にしかならんクネ?というわけです。
といっても、イケメンで華があってサッカーも上手いフレンキーに、今そんなことを言っても怒られてしまうだけでしょう。
ということで怒られないためにフレンキーをポジションごとに考察して、そう思った経緯をしっかり説明したいと思います。
【2CB】→ 普通に無い。
前述した通り、今シーズンのフレンキーは2CBの一角としてもプレーすることがありましたが、 将来的に本職CB化は無いと思います。素質的な部分でCBの方向性とはズレてるからです。
CBで起用すれば持ち前の推進力は確実に活きるでしょう。 ただCBという守備の最重要パートを担当する選手が取れるリスクとフレンキーのどこまででも運べる能力とのバランスを考えた時に、 このポジションが足枷になることは目に見えてます。
そして当然のことながら守備能力は専門でCBをやってる選手には遠く及びませんからね。
そもそもフレンキーにここから10年バルサのCBを任せたいかと問えば満場一致で「????」な反応になるでしょうし、 大前提としてフレンキーをCBで起用するなら同じアヤックスのデリフトを獲得しとけばよかった案件だと思うので、これは特に異論は無いかと思います。
ということでCB起用は応急処置の域を出ないでしょう。スタメンCB2枚+控えCB2枚というスカッドがあれば基本的にCBフレンキーが出る幕は無いんです。
【ピポーテ】→ 超微妙。ユーチューバーがテレビに出た時くらい微妙。
そもそも獲得時の構想としてはブスケツの後継者枠だったフレンキー。 インテリオールでもプレーさせて馴染ませつつ、ブスケツが衰えたタイミングで本格的にピポーテを任せるみたいな話がよくされてましたよね。
それもあって1年目は「バルサは特殊だから適応に時間が必要」、「フレンキーは新時代のピポーテ」といった言説があり割と暖かく見守られていた印象でしたが、 2年目を終えた今流石にピポーテとしては微妙と言わざるをえないです。
現在ブスケツのフィジカル的な衰えは顕著で、 チームとしてのマンパワーに差があるリーガだと圧倒的ですが、五分な相手になるとボロが出ることが増えています。
世代交代のタイミングはまさに今なのではないかと思ってるのですが、 ピポーテのフレンキーはブスケツの控えとしてなら合格点をあげられるレベルで、ファーストチョイスのピポーテとしては失格だと思います。 結局定着しなかったことを考慮すると現場サイドも同様の感想だったのでしょう。
もちろんクーマンがシーズン開幕前にワイナルドゥムの獲得を狙ってたこと、ピケ・アラウホが抜けたCB事情を考慮すると、 「本当はピポーテに置きたいけどCBは人手不足だし、MFはダイナミズムをもたらせる選手がいないからIHとCBで多く起用したんやで!」という見方もできなくはないですが、 ピポーテとしてプレーを見ると「本当はピポーテに置きたいけど、、」よりは「せや!便利屋させたらいいんや!」的な雰囲気が強かったです。
まあ冷静に考えればピポーテにハマらないのは当たり前です。
中央でテンポ良くパスを捌き続けることが求められるピポーテは、広範囲に動ける身体能力と異次元の推進力が武器のフレンキーが活きるポジションじゃないんです。
守備面においても同様です。フレンキーはプレッシングからボール奪取する対人守備は素晴らしいんですが、 埋めるべきスペースを認知する能力、パスコースを遮断して遅攻に誘導する能力はトップのピポーテの基準を満たせてないです。 というか明らかに下手だと思います。。
結局攻守両面においてプレーエリアを限定させリスクを管理する側のピポーテは合ってないんでしょうね。
あと仮にピポーテでフレンキーらしさが出ても困ると思うんです。
先述した通りフレンキーはパスしてボールを走らせるよりは自分を走らせてることで真骨頂を発揮するタイプです。
それはフレンキーが抜けたスペースを埋める守備力ある選手が必要になることを意味します。
天才ペドリにそれをやらせるのはリソースの無駄ですから、結局ラキティッチ、ビダルのような縁の下の力持ち的な要素の強い選手が必要になると思うのです。 これは本末転倒です。 バルセロナの伝家の宝刀であるインテリオールを最大限活かすための縁の下の力持ち的なピポーテであって欲しいのに、それでは構図が逆になってしまうからです。
やはり、今のままじゃピポーテ起用もターンオーバー要員止まりでしょう。
【ボックストゥボックス型インテリオール】→ 割と良い。でも。。?
ボックストゥボックスのフレンキーは割と良いと思います。
しかしながら、何を隠そうバルサの理想として中盤はイニエスタ・チャビみたいなインサイドハーフコンビにブスケツみたいなピポーテというのがあります。 チャビがメッシを追い越してボックスに侵入する場面は何度もありましたが、やっぱりボックストゥボックスとかではなく圧倒的なゲームメイカーでした。
この理想というか、命題というか、カルマというか、なんかそういうモノがある限り、ゲームメイカー性能のないボックストゥボックスを配置すること自体がバルサにとって本意ではない選択になるわけで、バルサの方向性とはズレるのです。
近年のパウリーニョ・ビダルらの補強がハマったこともあって、ボックストゥボックス枠はバルサに必要って見方もあると思いますが、あれはあくまで「手っ取り早くタイトル欲しいから現実路線をいくぜ!」的なノリだったはず。
ビダルは「バルサの考えは古くなってるよ〜」って仰ってましたけど、 正直「何を言っているんだろう」感はありました。ビダル獲得を選んだ時点である種バルサの考えとは違う方向で戦ったわけですからね。
普通に「ゲド戦記」を見てジブリは終わったっていう人みたら笑うでしょ?(僕は吾郎さんガチでリスペクトしてるし、ビダルもリスペクトしています)。
100歩譲ってボックストゥボックスが必要だとしても80Mなんてかけずとも外注できますし、 そもそもボックストゥボックスならば1流かというとこれも結構怪しいんですよね。
フレンキーはその万能さ故にボックストゥーボックスもサラッとこなしてましたが、 パウリーニョ・ビダルらと比べるとシュートセンスがあまりに上品過ぎてゴール前で迫力がないです。
メッシからのドンピシャクロスだとシュート打ちますけど、基本的にポケットに入った後の選択肢に「ニア上ズドン」とか「腰回して対角ぶち抜く」とかいう選択肢がないのでボックストゥボックスとしては物足りないです。
その代わりに技術レベルがかなり高いので、そういう意味ではバルサらしいボックストゥボックスと言えなくもないのですが、個人的に「そこでバルサらしさ出されても、、、、」となります。
【チャビ・イニエスタ的なインテリオール】→ 覚醒待ち?いや、難しそう。
じゃあ万能なフレンキーにチャビもしくはイニエスタ的インテリオールになってもらおう!ってなるんですが、それも現状難しそうです。
まずイニエスタと比較すると、ドリブル能力は匹敵するものを持ってますが、フレンキーは球離れが悪く繊細さが無いというか、結構大味というか、縦に早く長い印象が強いです(それがフレンキーの良い所です)。
それが結局、超上手いけどライン間でのプレーは苦手で意味のないサリーしがち、ポケットで少ないタッチでチャンスクリエイトできないみたいな現状につながってる気がします。
イニエスタの美学として「ボールが来なくてもライン間・ハーフスペースにポジションを取っとく」というのがありましたから、なんか全然違うなと思うわけですね。
なんでイニエスタ的なミドルサードから崩しのデザインをするインテリオールのイメージは湧かないです。
じゃあチャビっぽいかというと、そうも思いません。
パスセンスを除けば運動量、スピード、強度は遥かに優れていますから今でいうとクロースの上位互換的な選手を目指そうなのですが、意外にもフレンキーはゲームメイカータイプでは無いです。
全体的にインテンシティの波に乗ってパワーを出すタイプなのでインテンシティをコントロールする側はできないんだと思います。
こうなってくると、リベロで存在証明するしかないんですけど。。
【リベロ】→ イケてる。vs飛弾のシカマルぐらいイケてる。でも。。。?
リベロのフレンキーはイケてると思ってます。
CBとしては強度、ピポーテとしては落ち着きが無く、インテリオールとしては大味過ぎるフレンキーにとってリベロは天職というか、最もフレンキーの長所がそのまんま長所になるポジションだと思います。なのでリベロでなら軽く存在証明もできるはずです。
でもこれから先のバルサで存在するか分からないポジションがベストポジションな選手って冷静に厳しくね?って思うわけです。
もちろん、プレミアとかセリエとかブンデスとか見てると3バック多いですし、リーガでも今シーズン多かった印象あります。 それに次世代の有能監督候補グラハムポッターなんかも3バックシステムを使ってますし、トゥヘルも3バック結構使うイメージありますから3バック継続路線も全然アリだとは思うのですが、調子悪くなりゃスグ433への回帰が叫ばれるクラブがバルサですから、継続するにしてもリベロのスペシャリストよりCBとピポーテの能力をハイレベルに兼備してるプレイヤーの方が欲しいってのが本音じゃね?って思っちゃいます。
まあぶっちゃけここらへんは時代とバルサが3バックを求めるかどうかだと思うので、よく分かりません。 もし求めるというなら、願ったり叶ったりな展開だと思います。僕もユニを買ったぐらいには好きですから。
【結論】→ フレンキーデヨングのべストはバルサにはない。
結局、推進力以外のフレンキーの長所を考えてみると、CBにしては動けて上手いとか技巧派MFにしては早くてパワーもあるとかパワー系MFにしては超上手いとか「にしては」な所(要はなんでもできる)だと思うので、 「理想のバルサ」を考えた時にポジションがないんですよね。
フレンキーがボックストゥボックスもしくはリベロで世界最高の選手になるのも素敵だと思いますが、ぶっちゃけチャビ・イニエスタ・ブスケツ的な中盤見れた方が素敵ですよね?
それに結局チャビの匂いがする選手、ブスケツの匂いがする選手がいれば、そっちに全額ベットせずにはいられないのがバルサファンだと思います。
もちろん、チャビ、ブスケツ、イニエスタみたいな選手はそう簡単に出現しませんし、フレンキーも十分天才ですからフレンキーで新しいバルサに舵を切るのも全然ありなんですけど、ぺドリ見たらぺドリがバルサらしいサッカーしてるところ早くみたいなって思っちゃうんですよね。「現実路線〜」とか言ってないで、たとえそれが再現できるか分からないくても「理想」にオモカジいっぱいしたいというか。ひと繋ぎの大秘宝を見てみたいというか。
あとフレンキーみたいな選手がいたら、中々オモカジいっぱいできないってのもフレンキー放出論を唱える理由の一つです。1流企業入ったら辞めてM1チャンピオン目指そうとか思わないじゃないですか。そんな感じです。
結局フレンキーは来シーズン以降も必要な選手だと思います。でも、ポジション別で見てきた通りバルサの理想を追求する中で各ポジションのシナジー効果を最大にするという文脈ではべストでないと思います。
そんな選手を1億ユーロで売却できるっていうなら、経営判断的に全然アリかなっていう気はするんですよね。
それこそクーマン期の象徴として輝いて、クーマン期の終わりと共にバルサに1億ユーロ残して別のクラブに活躍の場を移すとかフレンキーにとっても結構良さげだと思います。